マイコンを入手しよう

中学生の子供のために、マイコンを触ってみる破目になった
哲さん。毎週土曜日の午後になると、愛犬の散歩を口実にし
啓二さんの仕事部屋に通っている。今日は、マイコンを入手
しようと言われ、心が踊るのでした。
哲  :こんちは。今日もやってきたぞ。
啓二:ああ、入れよ。
哲  :もう、1か月たったのか。早いもんだ。
啓二:そろそろ、ワンチップマイコンを入手して、何か作り始めるか。
哲  :その言葉を待っていたよん。
啓二:夏休みには、ロボットを作れるようにしたいから、
      ワンチップマイコンを入手しておこう。
哲  :たくさんの中から、どのワンチップマイコンを選ぶんだ。
啓二:開発環境がWebから無料でダウンロードできるのを選ぼう。
      そうだ、トランジスタ技術の広告でNECエレクトロニクスから
      78kというマイコンがフラッシュ対応になったと見たぞ。
      (WebでURLを検索して、内容を見てみる)
      http://www.necel.co.jp
      おっと、ダウンロード回路とダウンロードソフトが公開されてる。
      よし、これでいこうぜ。
哲  :お前、78k触ったことあるのか。
啓二:ないよ。存在は知っていたけれどねえ。
      だいたいワンチップマイコンは、一度どれかをマスターして
      おけば、命令の違いだけで、使いこなせるもんなのさ。
哲  :本当かよ。
啓二:ああ、しゃぶりつくさないでも、そこそこの機能を実現する
      程度ならば、経験があれば難しいことじゃない。
哲  :じゃ、78kにするか。
啓二:複数の販売店があるようだな。
      http://www.ndk-m.co.jp/asmis/
      http://shopping.biglobe.ne.jp/PCT-e-SHOP/
      http://www.gaio.co.jp/
      http://www.sunhayato.co.jp/
      どれにするかな。
      シミュレータとデバッガも機能限定だけれど、ダウンロードした
      ファイルの中にはいっているな。半田付けは、初心者だから最少
      限度としたいなあ。おっと、20ピンタイプがあった。これかな。
哲  :おい、ロボットを作るんだから、それに対応してくれよ。
啓二:20ピンタイプでも、A/Dコンバータ、シリアル、タイマーが
      あって、外部割込みも利用できるな。
      よし、このμPD78F9222という型番のを入手しよう。
      おい、自分の名前と送付先等を入力して、購入だ。
哲  :へいへい。送付先は、ここの住所にして、払いは代引きとして
      おこう。立て替えておいてくれ。給料が入ったら払うからさ。
啓二:しょうがないなあ。なるべく、早く払ってくれよ。
      こっちも零細企業なんだから。
哲  :わかっているって。ところで、どんなロボットを考えているのかな。
      何か、お薦めがあるかな。
啓二:ライントレーサを作ったらどうかな。黒い板の上に、白いテープを
      貼り付けて、その上を走らせてタイムを競うのさ。プログラムも、
      それほど難しくないし、ハードウエアも高額なセンサーが必要な
      わけでもないから。
哲  :子供は、TVに出てくるような、2足歩行ロボットを作りたいと
      言っているんだ。でも、金額的に無理だろうし、それだけの技術
      もないだろうから、適当なところで妥協しないとな。
啓二:ライントレーサは、田宮模型のキットを使えば、駆動系は簡単に
      できるし、センサーも秋月電子で10個で¥300程度で、販売
      されている。全部で¥5000でお釣りくるよ。
哲  :じゃあ、そうしようかな。2台作って、競争したいし。
啓二:じゃあ、決まり。
      ライントレーサを作る前に、実用的なモノを作ろう。
      これで、助走期間を作って、最終目標のライントレーサを
      作れる力をつけよう。
哲  :何で、実用的なモノを作るんだ。
啓二:お前、奥さんに角だされたろう。
哲  :ああ、確かに。
啓二:怪しまれているはずだから、その疑いを晴らして、子供といっしょに
      ロボットを作りたいので、勉強していたんだと言って、実用的なモノ
      を見せて、使わせるの。いきなり、自宅で半田コテやらロボット作成
      の細々とした部品を広げたら、即却下されてしまうだろうが。
哲  :なるほど。
啓二:却下されないように、家で役に立つ何かを作ってくれるんだ。
      そして、子供の教育のためにやっているんだと。大義名分なし
      では、許可が下りないだろう。そこで、お墨付きがもらえる
      ようにするの。
哲  :越後屋、お前も悪(ワル)よのう。
啓二:いえいえ、お代官様ほどでは。

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